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看護師の扶養内、週何時間まで?

時給1,933円なら扶養内は週12時間まで。週20時間だと年収201万円

チェックリストを持つ看護師のイラスト

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計算の前提は、所得税が令和8年分、住民税が令和9年度分(2026年の収入にかかる分。東京23区など1級地の非課税の目安)、社会保険が2026年10月以降の要件です。通勤手当と賞与は0円、配偶者は合計所得900万円以下・所得税率10%として、配偶者の増税は控除が満額のときとの差で出します。

時給の例1,933円は、短時間労働者の看護師の1時間当たり所定内給与額(令和7年賃金構造基本統計調査・男女計)です。入力した金額そのものは送らず、区分に丸めた値だけを匿名の集計に使います。

パート看護師の時給は1,933円。扶養内は週12時間で頭打ち

短時間労働者の1時間当たり所定内給与額の横棒グラフ。全体1,518円、介護職員1,361円、准看護師1,624円、看護師1,933円。看護師の経験年数別は0年1,735円、5〜9年2,064円、15年以上1,936円
令和7年賃金構造基本統計調査の短時間労働者(産業計・企業規模10人以上・男女計)。看護師の経験年数別は第5表
短時間労働者の職種1時間当たり所定内給与額
看護師(男女計)1,933円(女1,930円・男2,027円)
准看護師1,624円
介護職員(医療・福祉施設等)1,361円
短時間労働者 全体1,518円
看護師としての経験時給(1時間当たり所定内給与額)
0年1,735円
1〜4年1,849円
5〜9年2,064円
10〜14年1,886円
15年以上1,936円

同じ調査で、短時間労働者の看護師は月13.8日・1日6.0時間働いています。月82.8時間、週に直すと約19.1時間。時給1,933円を掛けると月160,052円、年192.1万円(賞与11.1万円を足すと203.1万円)です。平均的なパート看護師は、扶養の壁を全部越えた所で働いていることになります。

扶養内(130万円未満)に収めるなら、時給1,933円では週12時間(月52時間)が上限です。週2日×6時間、または週3日×4時間でちょうど上限。1日8時間を週2日入れると週16時間・年収160.8万円で、もう外れています。

時給扶養内(130万円未満)に収まる週の時間週20時間で働いた年収
1,500円週16時間(年収124.8万円)156.0万円
1,700円週14時間(年収123.8万円)176.8万円
1,933円(パート看護師の平均)週12時間(年収120.6万円)201.0万円
2,000円週12時間(年収124.8万円)208.0万円
2,200円週11時間(年収125.8万円)228.8万円
2,500円週9時間(年収117.0万円)260.0万円

「看護師は扶養内で働くのはもったいない」と言われる正体は、この表です。介護職員の1.4倍の時給だから、同じ130万円に届く時間が週12時間と短い。時間を抑えて扶養に残るか、週20時間に乗せて自分の社会保険に入るか。中間の週13〜19時間だけは選ばないのが、この時給での答えです。

2026年の壁は7つ:年収の低い順に並べる

2026年の年収の壁を年収の低い順に並べた横棒グラフ。住民税119万円、配偶者の社会保険の扶養130万円、配偶者控除136万円、配偶者特別控除169万円、所得税178万円、時給1,933円の週20時間201万円、配偶者特別控除0円207万円
2026年の収入で判定する壁。106万円の壁(月8.8万円の賃金要件)は2026年10月1日に撤廃された
年収何が起きるか
約119万円住民税がかかり始める(東京23区など1級地の目安。自治体によって数万円低い)
130万円配偶者の社会保険の扶養から外れる(60歳以上は180万円)。通勤手当を含めた「これから1年の見込み」で判定
136万円配偶者控除の上限。超えても169万円までは配偶者特別控除が同じ額
169万円配偶者特別控除が減り始める
178万円本人に所得税がかかり始める(給与所得控除74万円+基礎控除104万円)
週20時間従業員51人以上の職場なら、自分の職場の健康保険・厚生年金に入る。時給1,933円なら年収201.0万円で、所得税の壁も同時に越える
207万円配偶者特別控除が0円になる

根拠:東京都主税局「個人住民税」、日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」(年間収入130万円未満・月額108,333円以下)、国税庁 No.1191 配偶者控除(給与136万円以下)、日本年金機構「2026年10月1日から短時間労働者に係る賃金要件の撤廃」、国税庁 No.1195 配偶者特別控除、国税庁 No.1410 給与所得控除(令和8年分・令和9年分は74万円)、国税庁 No.1199 基礎控除(令和8年分は104万円)

介護職や事務のパートでは「週20時間」は年収137万円前後で、130万円の壁のすぐ隣にあります。看護師では週20時間が年収201.0万円。130万円の壁と週20時間の間に、年収70万円分の幅があるのが看護師の特徴です。

106万円の壁は2026年10月に消えた。残るのは「週20時間」

パートが自分の職場の社会保険(健康保険・厚生年金)に入る要件は、2026年10月1日から3つになりました。週の所定労働時間が20時間以上、勤め先の従業員数が51人以上、学生でないこと。月額8.8万円以上という賃金要件は撤廃されました(日本年金機構「2026年10月1日から短時間労働者に係る賃金要件の撤廃」)。時給の高い看護師は、もともと週20時間に乗った時点で8.8万円を超えていたので、この撤廃で変わるのは「週20時間未満なら月額がいくらでも加入しない」とはっきりした点です。

「所定労働時間」は雇用契約書や就業規則に書かれた通常の週の時間で、残業は原則として含みません。ただし残業が毎月のように続いていると、含めて判断されることがあります(厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「社会保険加入の要件」)。

時期加入対象になる職場の従業員数
2026年10月〜2027年9月51人以上
2027年10月〜36人以上
2029年10月〜21人以上
2032年10月〜11人以上
2035年10月〜10人以下も対象

従業員数は法人全体で数えます。病院のパートはほとんどが51人以上の職場、個人のクリニックは35人以下が多く、同じ週20時間でも加入するかどうかが分かれます。新しく対象になる職場には保険料調整制度があり、月収13万円未満の人は、加入から通算3年間、本人の保険料が軽くなります(日本年金機構「保険料調整制度」(2026年10月〜))。

130万円は「これから1年の見込み」。かけ持ちと夜勤バイトは合算

配偶者の健康保険の扶養に入れるのは、年間収入が130万円未満(60歳以上・障害のある人は180万円未満)の人です。過去の実績ではなく扶養に該当する時点から1年間の見込みで、給与だけなら月額108,333円以下が目安です(日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」(年間収入130万円未満・月額108,333円以下))。2026年4月からは、労働条件通知書や雇用契約書の賃金(諸手当・賞与を含む)から見込んだ年間収入で判定できるようになりました(日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定」(2026年4月〜))。

看護師で多いのが、クリニックのパートに夜勤バイトや単発バイトを足す働き方です。130万円は全部の勤め先を合計して見ます。たとえば1回3万円の夜勤を月4回入れると、それだけで年144万円。クリニックの分を足す前に外れます。

人手不足で残業が増え、一時的に130万円を超えたときは、事業主が「一時的な収入の増加」だと証明すれば、原則として連続2回まで扶養に入り続けられます(厚生労働省「年収の壁」への対応(事業主の証明による被扶養者認定))。扶養を外れて自分の職場の社会保険にも入らない場合、60歳未満の人は国民年金(令和8年度は月17,920円)と国民健康保険の保険料を自分で払います(日本年金機構「国民年金の保険料はいくらですか」(令和8年度 月額17,920円))。

税金の壁は2026年分から上がった:178万円・136万円・169万円

壁2025年分2026年分
本人に所得税がかかる年収160万円超178万円超
配偶者控除の上限(配偶者の給与)123万円136万円
配偶者特別控除が満額(38万円)の上限160万円169万円
配偶者特別控除が0円になる年収198万円超207万円超
住民税がかかる年収(1級地の目安)110万円超119万円超

配偶者控除と配偶者特別控除は、136万円を超えても169万円までは同じ38万円(配偶者の合計所得900万円以下の場合)です。税金の面で気にする線は178万円の1本。それより先に効くのは、配偶者の勤務先の家族手当の条件です。103万円のままにしている会社なら、130万円より前に手当が消えます。

扶養を外れて損しない働き方:週13〜19時間は払うだけの帯

時給1,933円の看護師パートが週の時間を10〜25時間に増やしたときの世帯の手取りの横棒グラフ。週12時間までは扶養のまま、週13時間で扶養を外れて減り、週20時間で職場の社会保険に入って158.0万円、週22時間で172.8万円
時給1,933円・51人以上の職場・東京都・40〜59歳・配偶者の所得税率10%で計算。国民健康保険料は含まない
週の時間年収どうなる本人の手取り世帯の手取り
週10時間100.5万円扶養のまま100.5万円100.5万円
週12時間120.6万円扶養のまま120.0万円120.0万円
週13時間130.7万円扶養を外れる(国民年金+国保)108.7万円108.7万円
週15時間150.8万円扶養を外れる(国民年金+国保)127.8万円127.8万円
週18時間180.9万円扶養を外れる(国民年金+国保)154.9万円153.0万円
週19時間191.0万円扶養を外れる(国民年金+国保)164.0万円160.1万円
週20時間201.0万円職場の社会保険に加入163.9万円158.0万円
週22時間221.1万円職場の社会保険に加入179.9万円172.8万円
週25時間251.3万円職場の社会保険に加入203.7万円196.6万円

週12時間(年収120.6万円)の世帯の手取りは120.0万円。週12時間を1時間でも超えると扶養を外れ、国民年金215,040円を自分で払って108.7万円に落ちます。表に入れていない国民健康保険料がさらにかかるので、週13〜19時間は、働いた時間の分だけ保険料に消える帯です。

週20時間で職場の社会保険に入ると保険料は年30.6万円に増えますが、国民健康保険がなくなり、厚生年金の分だけ将来の年金が増え、病気で休んだときの傷病手当金の対象になります。

  1. 週12時間以内で扶養のまま:週2日×6時間か、週3日×4時間。時給が上がったら時間を見直す前提で契約を決めます。時給2,200円なら上限は週11時間に下がります。
  2. 週20時間以上で自分の社会保険に入る(51人以上の職場):世帯の手取りは158.0万円。週22時間(年収221.1万円)なら172.8万円で、その先は働いた分だけ増えます。
  3. 週13〜19時間にしない:扶養を外れる額の国民年金と国民健康保険を払いながら、厚生年金も傷病手当金も付きません。この帯に今いる人は、週12時間に減らすか週20時間に増やすかのどちらかです。

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よくある質問

通勤手当は130万円に含みますか?

日本年金機構の2026年4月からの取り扱いでは、労働契約の賃金に諸手当を含めて年間収入を見込むため、通勤手当は収入に数えます。税金の年収には、月15万円までの通勤手当は含めません。

病院のパートと単発バイトをかけ持ちしています。130万円はどう数えますか?

130万円の判定は全部の勤め先の収入を合計します。単発バイトの日払いも給与なら年間収入に入ります。自分の職場の社会保険(週20時間・51人以上)は職場ごとに判定します。

パートにも賞与(寸志)が出ます。年収に入りますか?

入ります。短時間労働者の看護師の年間賞与は平均11.1万円(令和7年賃金構造基本統計調査)で、税金の年収にも社会保険の130万円の見込みにも含めます。社会保険に加入したあとは賞与にも保険料がかかります。

出典

2026年10月23日に確認。

公開日: