看護師のボーナス手取り計算:額面から社会保険料と所得税を引くといくら残る?
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看護師の年間賞与の平均85.6万円を夏と冬で半分にした額面42.8万円のボーナスなら、手取りは342,760円(額面の80.1%)です(前月の給与33.3万円・東京都・40歳未満・扶養なし)。ボーナスの所得税率は前月の給与で決まり、住民税は引かれません。額面・前月の給与・都道府県・年齢・扶養を入れると、2026年度(令和8年度)の料率と算出率の表で、天引きのうちわけと手取りを出し、同じ年齢・職場の規模の平均と比べます。
社会保険料の本人負担は50銭以下切り捨て・50銭超切り上げ、所得税は1円未満切り捨てです。入力した内容はこの端末の中だけで計算に使い、金額そのものは送信・保存しません(匿名の集計は区分に丸めた値だけ)。
ボーナスの手取りは額面の約80%:42.8万円の例
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、看護師の年間賞与その他特別給与額は85.6万円、所定内給与は月33.3万円です。年2回で割った42.8万円を、前月の給与33.3万円・東京都・40歳未満・扶養なしで計算すると、天引きは次のとおりです。
| 項目 | 額 | 出し方 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 21,079円 | 標準賞与額428,000円×9.85%(東京都)÷2 |
| 子ども・子育て支援金 | 492円 | 標準賞与額×0.23%÷2 |
| 厚生年金 | 39,162円 | 標準賞与額×18.3%÷2 |
| 雇用保険 | 2,140円 | 額面×0.5%(1,000円未満も切り捨てない) |
| 所得税 | 22,367円 | (額面−社会保険料62,873円)×6.126% |
| 手取り | 342,760円 | 額面−社会保険料−所得税 |
毎月の給料と違うのは2つ。社会保険料が「標準報酬月額の等級」ではなく、1,000円未満を切り捨てた標準賞与額そのものに率を掛けて決まること(上限は健康保険が年度の累計573万円、厚生年金が1か月150万円)。そして、住民税が引かれないことです。住民税は前の年の所得に対する年額を6月から翌年5月の毎月の給料から引く仕組みなので、ボーナスの手取り率は毎月の給料より高くなります。
ボーナスの額面ごとの手取り早見表(前月の給与30万円の場合)
前月の給与の総支給額30万円・東京都・40歳未満・扶養なしで計算しました。社会保険料は健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険の合計です。
| ボーナスの額面 | 社会保険料 | 所得税 | 手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 29,380円 | 6,968円 | 163,652円 | 81.8% |
| 30万円 | 44,070円 | 10,452円 | 245,478円 | 81.8% |
| 40万円 | 58,760円 | 13,936円 | 327,304円 | 81.8% |
| 50万円 | 73,450円 | 17,420円 | 409,130円 | 81.8% |
| 60万円 | 88,140円 | 20,904円 | 490,956円 | 81.8% |
| 80万円 | 117,520円 | 27,872円 | 654,608円 | 81.8% |
| 100万円 | 146,900円 | 34,840円 | 818,260円 | 81.8% |
この条件では所得税の率が4.084%で固定なので、額面が増えても手取り率はほぼ同じです。毎月の給料のように「額面が上がるほど税の割合が増える」ことは、ボーナスでは起きません。率を決めるのは、ボーナスの額ではなく前月の給与だからです。
ボーナスの所得税率は「前月の給与」と扶養の人数で決まる
国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(令和8年分・甲欄)は、前月の社会保険料等控除後の給与がどの行に当たるかで率を決めます。扶養している家族が多いほど、同じ給与でも低い率の行になります。
| 賞与に掛ける率 | 扶養0人 | 扶養1人 | 扶養2人 |
|---|---|---|---|
| 0.0% | 0千円以上 | 0千円以上 | 0千円以上 |
| 2.042% | 82千円以上 | 107千円以上 | 143千円以上 |
| 4.084% | 94千円以上 | 250千円以上 | 276千円以上 |
| 6.126% | 260千円以上 | 289千円以上 | 321千円以上 |
| 8.168% | 309千円以上 | 346千円以上 | 377千円以上 |
| 10.21% | 342千円以上 | 373千円以上 | 400千円以上 |
| 12.252% | 372千円以上 | 401千円以上 | 426千円以上 |
| 14.294% | 402千円以上 | 430千円以上 | 457千円以上 |
| 16.336% | 433千円以上 | 463千円以上 | 492千円以上 |
| 18.378% | 520千円以上 | 520千円以上 | 525千円以上 |
| 20.42% | 605千円以上 | 621千円以上 | 636千円以上 |
表の「◯千円以上」は、前月の社会保険料等控除後の給与の下限です。たとえば扶養なしで前月の控除後の給与が30万円なら、260千円以上・309千円未満の行で6.126%。額面50万円のボーナスで、前月の給与と扶養がどう効くかを並べました。
| 条件(額面50万円) | 前月の控除後の給与 | 率 | 所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|
| 前月25万円・扶養なし | 211,856円 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 前月30万円・扶養なし | 255,930円 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |
| 前月35万円・扶養なし | 297,166円 | 6.126% | 26,130円 | 400,420円 |
| 前月45万円・扶養なし | 385,314円 | 12.252% | 52,260円 | 374,290円 |
| 前月35万円・扶養2人 | 297,166円 | 4.084% | 17,420円 | 409,130円 |

率は前月の給与で決まるので、夜勤が多くて前月の額面が大きかった人ほど、同じボーナスでも率が1段上がることがあります。取りすぎた分は年末調整で戻るので損はしないのですが、12月の手取りが思ったより少ない理由は、たいていこれです。
前月に給与の支払いがなかった人(育休明けの最初のボーナスなど)と、ボーナスが前月の控除後の給与の10倍を超える人は、この表を使わず、賞与を6で割った額を月額表に当てはめて6倍する特例で計算します。上の計算ツールはどちらにも対応しています。
看護師のボーナスの平均:年齢別・職場の規模別
令和7年賃金構造基本統計調査(看護師・男女計)の年間賞与その他特別給与額です。この額は令和6年1〜12月の1年間に支払われた賞与の合計なので、上の計算で出した「1回の額×回数」と比べられます。
| 年齢 | 全体(万円) | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 52.9 | 57.5 | 43.6 | 23.0 |
| 25〜29歳 | 79.2 | 99.8 | 61.6 | 44.5 |
| 30〜34歳 | 73.5 | 99.7 | 61.5 | 44.2 |
| 35〜39歳 | 87.7 | 114.3 | 71.3 | 60.6 |
| 40〜44歳 | 98.5 | 136.0 | 83.2 | 65.4 |
| 45〜49歳 | 96.8 | 133.7 | 88.7 | 63.9 |
| 50〜54歳 | 103.8 | 138.2 | 95.3 | 74.8 |
| 55〜59歳 | 101.9 | 133.0 | 96.4 | 78.7 |
| 60〜64歳 | 71.0 | 95.3 | 67.0 | 59.0 |
| 全体 | 85.6 | 105.7 | 77.0 | 62.4 |

規模の差は、年齢が上がるほど開きます。20代前半で35万円、50代前半で63万円。長く勤めるほど、どこで働くかがボーナスに効いてくる、と読みました。
計算ツールの「年齢」と「職場の規模」を選ぶと、この表の同じ区分の平均と、あなたの年間の額を比べます。職場の規模は法人全体の人数(企業規模)で、病院1つの職員数ではありません。
求人票の「賞与◯か月分」を年額にそろえて、いまの職場と比べる
1年目のボーナスと、経験年数別の平均
| 看護師としての経験 | 年間賞与など | 所定内給与(月) |
|---|---|---|
| 0年 | 11.4万円 | 27.8万円 |
| 1〜4年 | 77.9万円 | 30.5万円 |
| 5〜9年 | 80.1万円 | 31.5万円 |
| 10〜14年 | 81.3万円 | 32.6万円 |
| 15年以上 | 100.8万円 | 35.9万円 |
経験0年の11.4万円は、1年目の夏・冬の実額ではありません。この調査は給料を令和7年6月分、賞与を令和6年の1年分で聞くため、令和7年4月に入職した人には前の年の賞与がほとんどないのです。1年目の最初のボーナスは、算定期間(たとえば前年12月〜5月)のうち在籍した月数で按分する職場が多く、満額になるかは賃金規程で決まります。2年目以降の目安は、経験1〜4年の77.9万円です。
ボーナスで職場を比べ直す
毎月の所定内給与は職場の規模でほとんど変わらず(32.0万〜34.4万円)、差がつくのはボーナスです。求人票を見るときは「基本給の何か月分か」「前年度の実績か」「1年目の扱い」の3つをそろえて、求人の年収比較で年額にして並べると、月給が1万円高い求人よりボーナスが0.5か月分多い求人のほうが得、という逆転が見つかります。給料そのものの上げ方は看護師の給料アップの方法にまとめています。
計算の前提と注意
- 社会保険料は、標準賞与額(1,000円未満切り捨て)に協会けんぽの令和8年度の都道府県別の健康保険料率(40〜64歳は介護保険料率1.62%を加算)、子ども・子育て支援金率0.23%、厚生年金保険料率18.3%を掛けた額の半分(本人負担)です。雇用保険は額面に令和8年度の労働者負担5/1,000を掛けます。健康保険組合・共済組合の人は率が違います。
- 健康保険の標準賞与額の上限(年度の累計573万円)は、入力した1回分だけで当てています。同じ年度に合計573万円を超える賞与がある人は、超えた分に健康保険料がかかりません。
- 「前月の社会保険料控除後の給与」は、入力した前月の総支給額を標準報酬月額の等級に当てはめて社会保険料を引いた目安です。実際の保険料は4〜6月の給与で決まった標準報酬月額によるため、数百円ずれることがあります。
- 所得税は源泉徴収(天引き)の額で、年の税額は年末調整で精算されます。令和8年分は基礎控除の引き上げがあり、天引きの一部が戻ることがあります。
- 65歳以上の人は介護保険料を給与から引かずに計算します。70歳以上は厚生年金がかかりませんが、この計算では区別していません。
- 扶養している家族は、源泉徴収の「扶養親族等の数」(扶養控除等申告書に書いた人数)として扱います。
よくある質問
年4回以上「賞与」が出る職場では、どう引かれますか?
年4回以上支払われるものは、社会保険では賞与ではなく毎月の報酬(標準報酬月額)の対象として扱われます。このページの計算は、年3回以下の支給が前提です。
同じ月に2回ボーナスが出たら、上限はどうなりますか?
同じ月に支払われた賞与は合算して1回分として届け出て、厚生年金の上限(1か月150万円)も合算した額に当てます。
副業先など、扶養控除等申告書を出していない職場のボーナスは?
申告書を出していない職場では、算出率の表の甲欄ではなく乙欄の率で源泉徴収されます。上の計算ツールと早見表は甲欄(申告書を出している主な勤め先)の率です。
出典(2026-10-17 確認)
- 国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」(前月の社会保険料等控除後の給与と扶養親族等の数で率を決める方法、10倍を超える場合・前月に給与がない場合の特例、乙欄)・「令和8年分 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(PDF)・月額表の電子計算機等による計算方法
- 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(標準賞与額の1,000円未満切り捨て、厚生年金の上限1か月150万円、健康保険の上限年度累計573万円、年3回以下の支給が対象、同月2回の合算)・「厚生年金保険の保険料」(保険料率18.3%)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の協会けんぽの保険料率」(都道府県別の健康保険料率、介護保険料率1.62%、子ども・子育て支援金率0.23%)・健康保険・厚生年金保険の保険料額表(令和8年3月分から、協会けんぽ)(前月の給与の等級)
- 神奈川労働局「雇用保険料率」(令和8年度の労働者負担5/1,000)
- 東京都主税局「個人住民税」(給与所得者は6月から翌年5月までの毎月の給料から特別徴収)
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別(第1表:企業規模別の所定内給与額と年間賞与その他特別給与額、第5表:年齢階級別・企業規模別、第14表:経験年数階級別。看護師・男女計・企業規模10人以上)・厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」調査の概要(PDF)(賞与は令和6年1〜12月の1年間の額、給与は令和7年6月分)