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産休・育休で、いくら入る?

月給36.6万円の看護師が1歳まで休むと、産休・育休で約303万円。育休の180日目までは月24.5万円

チェックリストを持つ看護師のイラスト

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くわしく

計算の前提は、2026年10月時点の制度と、令和8年8月1日から令和9年7月31日までの賃金日額の上限・下限です。賃金日額は入れた月給×6÷180、出産手当金は入れた月給の標準報酬月額の等級(協会けんぽの等級表)で計算し、産休は産前42日+産後56日、育休は産後休業の翌日から1歳(1歳6か月・2歳)に達する日の前日までの日数で数えます。入力した金額そのものは送らず、区分に丸めた値だけを匿名の集計に使います。

もらえるお金は3つ+免除:出産手当金・育児休業給付金・出産育児一時金

月給36.6万円の看護師が産休・育休で受け取る月額の横棒グラフ。産休中の出産手当金は月24万円、育休の最初の28日は月換算29.3万円、180日目までは月24.5万円、181日目からは月18.3万円。1歳まで休むと合計307.4万円
月給36.6万円(看護師の平均)の例。出産手当金は標準報酬月額36万円の3分の2、育休は賃金日額12,196円×給付率の30日分

産休中は健康保険から出産手当金、育休中は雇用保険から育児休業給付金が入り、出産したときに出産育児一時金が出ます。月給36.6万円(看護師の「きまって支給する現金給与額」の平均、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第1表(e-Stat。看護師のきまって支給する現金給与額365,900円))の例で並べると、この表の通りです。

お金どこからいくら(月給36.6万円の例)いつ・条件
出産手当金健康保険1日8,000円×98日=78.4万円(月24万円)産前42日+産後56日(多胎は産前98日)
育児休業給付金雇用保険180日目まで月24.5万円、181日目から月18.3万円。1歳まで224.5万円産後休業の翌日から、子が1歳(延長で1歳6か月・2歳)に達する日の前日まで
出生後休業支援給付金雇用保険最初の28日に13%=4.4万円(67%と合わせて80%)配偶者も子の出生後8週以内に14日以上の育休を取るとき、配偶者が専業主婦(夫)・ひとり親などのとき
出産育児一時金健康保険1児50万円(産科医療補償制度の対象外の医療機関は48.8万円)出産したとき
保険料の免除健康保険・厚生年金月約5.1万円が引かれない(約13.5か月で約70.9万円)産休・育休の期間(勤務先の申出)

出産手当金と育児休業給付金は非課税で、産休・育休中は健康保険料と厚生年金保険料も免除されます(厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」(非課税・支給日数)・日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」)。給料から引かれていた税金と保険料がなくなるので、「月給の67%」は手取りで比べるともっと近くなります(下の「手取りで見ると」)。

育休の説明で「67%」だけ見て、月給36.6万円なら24.5万円か、と思っていた人は、産休98日分の出産手当金78.4万円を足し忘れています。1歳まで休む看護師が受け取る額は、一時金を除いても302.9万円。復帰までの家計は、この合計から組み立てるほうが実際に合います。

育児休業給付金は「産休前6か月の月給」で決まる。夜勤手当も入る

月給別の育児休業給付金(67%)の30日分の横棒グラフ。月給20万円で13.4万円、月給25万円で16.8万円、月給30万円で20.1万円、月給36.6万円で24.5万円、月給40万円で26.8万円、月給49.6万円で33.2万円、月給60万円で33.2万円。月給49.6万円を超えると上限の33.2万円で変わらない
賃金日額の上限16,540円(令和8年8月1日〜令和9年7月31日)。月給49.6万円を超える分は給付に反映されない

育児休業給付金は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育休開始から181日目以降は50%)です。休業開始時賃金日額は、産前産後休業を取った人は原則として産前休業に入る前の6か月間に支払われた賃金(賞与など3か月を超える期間ごとに払われるものは除く)の総額を180で割った額で、上限16,540円・下限3,203円があります(厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」)。

産休前の平均月給賃金日額67%の月額(180日目まで)50%の月額(181日目から)1歳まで休んだ合計(出産手当金込み)
20万円6,667円13.4万円10万円166.3万円
25万円8,333円16.8万円12.5万円210.1万円
30万円10,000円20.1万円15万円249.4万円
36.6万円12,197円24.5万円18.3万円302.9万円
40万円13,333円26.8万円20万円334.8万円
49.6万円16,540円33.2万円24.8万円413.4万円
60万円16,540円33.2万円24.8万円433.0万円

月給49.6万円を超える分は、給付に反映されません。30日分の上限は67%で332,454円、50%で248,100円(令和9年7月31日までの額)。月給60万円の師長でも給付は月33.2万円です。夜勤手当・残業代・通勤手当は「賃金」なので日額に入ります。賞与は入りません。

夜勤手当を入れた月給を、回数から計算する

夜勤を外れた月が6か月に入ると、給付は下がる

産休前6か月の夜勤回数別の、1歳までの育児休業給付金の横棒グラフ。月0回で184.1万円、月2回で198.2万円、月4回で212.3万円、月6回で226.3万円。夜勤4回の月が続くと約28.2万円多い
基本の月給30万円に2交代の夜勤手当1回11,470円×回数を足した月給で、1歳まで(育休307日)の育児休業給付金を計算

妊娠中の看護師は、請求すれば深夜業(午後10時から午前5時)を免除されます(労働基準法第66条、厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限」(労働基準法第66条))。夜勤がなくなった月が「産前休業に入る前の6か月」に入ると、その月の夜勤手当の分だけ賃金日額が下がり、育休の給付も下がります。基本の月給30万円に2交代の夜勤手当1回11,470円(日本看護協会「2025年病院看護実態調査」(労働政策研究・研修機構の紹介記事。2交代の夜勤手当1回11,470円))を足した例で、1歳までの給付金を比べました。

産休前6か月の夜勤月給賃金日額1歳までの育児休業給付金夜勤なしとの差
月0回30万円10,000円184.1万円—
月2回32.3万円10,765円198.2万円+14.1万円
月4回34.6万円11,529円212.3万円+28.2万円
月6回36.9万円12,294円226.3万円+42.2万円

夜勤4回の月が6か月続いた人と、妊娠がわかって夜勤を外れた人では、1歳までの給付に約28.2万円の差が出ます。体調を優先して夜勤を外れるのは当然の選択で、差はあとから取り戻せる大きさです。ただ、復帰の時期を決めるときに「育休中の収入は夜勤をしていた頃の月給の67%ではない」と知っているかどうかで、家計の見立てが変わります。

出産手当金は標準報酬月額の3分の2。産前42日+産後56日

出産手当金は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30(10円未満四捨五入)の3分の2(1円未満四捨五入)が1日分で、出産日(予定日より後に生まれたときは予定日)以前42日(多胎は98日)から出産の翌日以後56日までのうち、休んで給与が出なかった日に支給されます。予定日より遅れて生まれた分も対象です(全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき(出産手当金)」・厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「出産手当金」)。

標準報酬月額出産手当金の1日分98日分(単胎)154日分(多胎)
20万円4,447円43.6万円68.5万円
26万円5,780円56.6万円89.0万円
30万円6,667円65.3万円102.7万円
36万円8,000円78.4万円123.2万円
41万円9,113円89.3万円140.3万円
50万円11,113円108.9万円171.1万円

標準報酬月額は、夜勤手当や通勤手当を含めた月の報酬を等級表(協会けんぽ「健康保険・厚生年金保険の保険料額表(令和8年3月分から)」(標準報酬月額の等級表・東京都の料率))に当てはめた額です。加入が12か月に満たない人は、加入後の平均と協会けんぽ全体の平均(支給開始日が令和7年4月1日以降は32万円)の低いほうで計算します。出産を機に退職する人も、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、退職日に出勤していなければ、退職後の分も続けて受け取れます(全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき(出産手当金)」)。

出産育児一時金は1児につき50万円。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産は48.8万円です(厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「出産育児一時金」(50万円・48.8万円))。国民健康保険の人や家族の扶養に入っている人にも出ます。

非課税・保険料免除で、手取りで見るといくらか

育児休業給付金には所得税も住民税もかからず、育休中は健康保険・厚生年金の保険料が本人分・事業主分とも免除され、給与が出なければ雇用保険料もかかりません。国は、このため「80%の給付率で手取り10割相当」と説明しています(厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」)。看護師の月給で、東京の料率・40歳未満・扶養なし・賞与なしの手取りと比べました。

月給(額面)手取り67%の給付手取り比80%の給付(上乗せあり)手取り比
25万円19.7万円16.8万円85%20万円101%
30万円23.7万円20.1万円85%24万円101%
36.6万円28.7万円24.5万円85%29.3万円102%
40万円31.0万円26.8万円86%32万円103%
45万円34.8万円30.1万円87%36万円103%

免除される保険料は、標準報酬月額36万円なら厚生年金(本人負担9.15%、日本年金機構「厚生年金保険の保険料」(保険料率18.3%))と健康保険(東京の料率9.85%の半分)で月約5.1万円。産休・育休の約13.5か月で約70.9万円が引かれずに済み、免除された期間は保険料を納めた期間として年金額に反映されます(日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」)。

復帰後の手取りを、夜勤の回数を変えて計算する

手続きと期限

いつすること
産休に入る前勤務先に産前休業・育休の申出。出産手当金と育児休業給付金の申請を誰が出すかを総務に確認
産休中出産手当金は勤務先の健康保険の担当を通して申請(医師の証明欄あり)。保険料の免除は勤務先が年金事務所に申出
育休開始から4か月育児休業給付金の初回申請の期限は、開始日から4か月を経過する日の属する月の末日(勤務先がハローワークへ)
育休中2回目以降はハローワークが指定する期間ごとに申請。支給決定通知書に賃金日額と支給額が印字される
1歳の誕生日の前保育園に入れないときは延長の申請。入所の申込みと入れなかったことを示す書類が要る

育児休業給付金の初回の申請期限は「育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日」。たとえば7月10日に育休を始めた人は11月30日までです(厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」)。勤務先が手続きをまとめて行うのが普通なので、産休に入る前に「育休給付の申請は誰がいつ出すか」を総務に確かめておくと、初回の振込が遅れません。

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よくある質問

育休中に少しだけ出勤したら、給付金は減りますか?

支給単位期間(育休開始日から1か月ごと)の就業日数が10日以下(10日を超えるときは就業時間が80時間以下)なら支給されます。その期間に職場から払われた賃金が「休業開始時賃金日額×支給日数」の13%(181日目からは30%)以下なら減額されず、13%超から80%未満なら「80%−賃金」に減り、80%以上なら支給されません。出生後休業支援給付金の13%は、育児休業給付金が出るかぎり減りません。

1歳で保育園に入れなかったら、給付金はどうなりますか?

保育所等での保育が行われないなどの理由があれば、1歳6か月、さらに2歳に達する日の前日まで育児休業給付金が延長されます。延長には、市区町村に保育所の入所を申し込み、入れなかったことを示す書類が要ります。入所を希望していない、選考結果にかかわらず延長を希望する、といった申込書の記載があると延長は認められません。父母ともに育休を取る場合は、パパ・ママ育休プラスで1歳2か月に達する日の前日まで(母は産後休業と合わせて最大1年)です。

産休に入る前に、夜勤手当が入った月給の証明は要りますか?

勤務先がハローワークに出す「休業開始時賃金月額証明書」に、産前休業に入る前6か月の賃金が書かれます。自分で用意する書類はありませんが、給与明細を6か月分とっておくと、賃金日額が合っているかを支給決定通知書で確かめられます。支給決定通知書には休業開始時賃金日額と支給額が印字されます。

出典

2026年10月24日に確認。

公開日: