看護の学費、戻る額は?
学費195万円の3年課程なら受講中に95万円。就職後は最大152万円(78%)




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計算の前提は、2026年10月時点の教育訓練給付制度(令和6年10月以降に受講を始める人の給付率)と、令和8年8月1日からの基本手当日額です。学費は各年に均等に払うものとし、1年目の額を入れたときはその額を先に、残りを均等に分けます。入力した金額そのものは送らず、区分に丸めた値だけを匿名の集計に使います。
戻るのは3段階:受講中50%・就職で70%・賃金が上がれば80%
専門実践教育訓練給付金は、受講中に学費の50%(年間上限40万円)が6か月ごとに振り込まれ、修了後に2つの追加給付が乗ります(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」)。
| 段階 | いつ | 率 | 年間の上限 |
|---|---|---|---|
| 受講中 | 6か月ごと(期間の末日から1か月以内に申請) | 学費の50% | 40万円 |
| 資格を取って就職 | 修了日の翌日から1年以内に資格を取り、雇用保険に入って働いたとき | +20%(計70%) | +16万円(計56万円) |
| 賃金が上がった | 修了後の賃金が受講前より5%以上上がったとき(令和6年10月以降の受講開始) | +10%(計80%) | +8万円(計64万円) |
支給は最長3年分で、3年で最大192万円。4年目分が出るのは法令上の最短が4年の課程だけなので、最短3年の看護師養成課程は4年制の大学でも3年分です(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」)。
| 年の学費 | 受講中に戻る額 | 学費に対する割合 | 最大(80%)の額 | その割合 |
|---|---|---|---|---|
| 60万円 | 30万円 | 50% | 48万円 | 80% |
| 80万円 | 40万円 | 50% | 64万円 | 80% |
| 100万円 | 40万円 | 40% | 64万円 | 64% |
| 120万円 | 40万円 | 33% | 64万円 | 53% |
| 150万円 | 40万円 | 27% | 64万円 | 43% |
| 200万円 | 40万円 | 20% | 64万円 | 32% |
年の学費が80万円を超える分は、1円も戻りません。年120万円の学校なら受講中に戻るのは3分の1。学費の高い学校ほど「50%」より少なくなります。

看護学校の案内に並ぶ「最大192万円」は、年の学費が80万円以上あって、卒業後1年以内に国試に受かって就職し、さらに賃金が5%上がった人の数字です。受講中に確実に戻るのは年40万円まで、と見ておく方が家計の計算は合います。
看護学校3年の例:学費195万円で戻るのは最大152万円
| 学年 | 学費(入学金+授業料) | 受講中(50%・年40万円まで) | 就職後(+20%・年16万円まで) | 賃金5%増(+10%・年8万円まで) |
|---|---|---|---|---|
| 1年次 | 85万円 | 40万円 | 16万円 | 8万円 |
| 2年次 | 55万円 | 27.5万円 | 11万円 | 5.5万円 |
| 3年次 | 55万円 | 27.5万円 | 11万円 | 5.5万円 |
| 合計 | 195万円 | 95万円 | 38万円 | 19万円 |
学費は大阪医療センター附属看護学校「社会人学生のための専門実践教育訓練給付金制度」(学費と試算)が公開している入学金+授業料(1年次85万円・2年次と3年次55万円ずつ)です。受講中に戻るのは95万円、資格を取って就職すると38万円、賃金が5%上がると19万円が追加され、最大152万円(78%)。自己負担は43万円まで下がります。

この学校の案内は追加給付を「学費の20%=39万円」と書いていますが、追加給付にも年16万円の上限があるので、1年次の85万円に対しては16万円。合計は38万円です。1万円の差でも、上限は年ごとに効くことを覚えておくと、ほかの学校でも自分で計算できます。
対象になる経費は入学金と授業料だけ。教科書代・白衣代・実習着・交通費は学校の案内でも対象外です(大阪医療センター附属看護学校「社会人学生のための専門実践教育訓練給付金制度」(学費と試算))。
どの課程が対象?看護師・准看護師の養成課程、認定看護師、特定行為研修
専門実践教育訓練の指定を受けられる課程は6つの類型に分かれ、看護師・准看護師の養成施設の課程は類型①(業務独占資格の養成課程。原則1〜3年、最短3年の資格は4年の課程も可)です(厚生労働省「専門実践教育訓練給付金のご案内」(LL070401。追加給付の年間上限16万円・8万円、対象講座の類型))。指定は講座ごとに年2回(4月1日・10月1日)、有効期間は3年なので、同じ学校でも課程によって対象かどうかが違います。
| 課程 | 給付の種類 | 期間の目安 | 確認した例 |
|---|---|---|---|
| 看護専門学校(3年課程) | 専門実践(50〜80%) | 3年 | 北海道看護専門学校・大阪医療センター附属看護学校が指定講座 |
| 准看護師から看護師への2年課程 | 専門実践(指定を受けた学校) | 2年 | 類型①の養成課程。通信制は学校ごとに指定の有無を確かめる |
| 診療看護師(NP)の大学院コース | 専門実践 | 24か月 | 愛知医科大学大学院の明示書(実務経験5年以上が受講要件) |
| 特定行為研修 | 特定一般(40〜50%)の指定が多い | 1年前後 | 日本看護協会 看護研修学校の基本コースは特定一般の指定講座 |
| 放送大学の科目 | 一般(20%・上限10万円) | 1年分まで | 放送大学の厚生労働大臣指定講座 |
認定看護師教育課程は学校ごとに専門実践の指定を受けている所と受けていない所があり、入学前に学校の「明示書」か厚生労働省の講座検索システム(厚生労働省「教育訓練給付制度」(講座の種類と検索システム))で講座指定番号を確かめます。
退職して通うなら:教育訓練支援給付金は基本手当日額の60%
受講開始時に45歳未満で、初めて専門実践教育訓練を受ける離職者が、通信制・夜間制を除く課程に通うとき、訓練中の生活費として基本手当日額の60%が2か月ごとに支給されます。令和8年度末(2027年3月31日)までに受講を始めた人への暫定措置です(厚生労働省「専門実践教育訓練給付金のご案内」(LL070401。追加給付の年間上限16万円・8万円、対象講座の類型))。
| 離職前の月給 | 基本手当日額(30〜44歳) | 支援給付金・30日分(29歳以下) | 同(30〜44歳) | 休暇給付金・30日分(30〜44歳) | 同(45〜59歳) |
|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 5,037円 | 9.1万円 | 9.1万円 | 15.1万円 | 15.1万円 |
| 25万円 | 5,776円 | 10.4万円 | 10.4万円 | 17.3万円 | 17.3万円 |
| 30万円 | 6,307円 | 11.4万円 | 11.4万円 | 18.9万円 | 18.9万円 |
| 35万円 | 6,630円 | 11.9万円 | 11.9万円 | 19.9万円 | 19.9万円 |
| 40万円 | 6,744円 | 12.1万円 | 12.1万円 | 20.2万円 | 20.2万円 |
| 50万円 | 8,270円 | 13.4万円 | 14.9万円 | 24.8万円 | 25.0万円 |
基本手当日額は、離職前6か月の賞与を除く給与を180で割った賃金日額に、50〜80%の率を掛けた額です。月給30万円なら賃金日額1万円、基本手当日額6,307円。支援給付金はその60%の3,784円で、30日分は11.4万円。3年通うと408.7万円になります(厚生労働省・都道府県労働局「雇用保険の基本手当日額が変更になります(令和8年8月1日から)」(LL080731))。
退職して看護学校に入る人は、基本手当(失業給付)を受けたあとに支援給付金に切り替わる形になり、2か月ごとの失業の認定を受け続けます。45歳以上の人は支援給付金が出ないので、在学中の生活費は貯金か奨学金で組み立てることになります。
辞めずに通うなら:2025年10月からの教育訓練休暇給付金(最長150日)
2025年10月1日に新しくできた給付です。雇用保険に5年以上入っている人が、就業規則などの制度にもとづいて連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取ると、休暇の日について基本手当と同じ額が支給されます(厚生労働省「教育訓練休暇給付金」)。
| 雇用保険の加入期間 | 所定給付日数 | 月給30万円(30〜44歳)の合計 |
|---|---|---|
| 5年以上10年未満 | 90日 | 56.8万円 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 75.7万円 |
| 20年以上 | 150日 | 94.6万円 |
要件は、休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること、休暇開始前に通算5年以上雇用保険に入っていたこと、受給期間は休暇開始日から1年間(厚生労働省「教育訓練休暇給付金のご案内」(PL080801。加入期間と給付日数・支給額のイメージ))。対象の訓練は大学・大学院・専修学校の課程や、教育訓練給付金の指定講座を持つ法人の訓練なので、認定看護師教育課程や特定行為研修の通学期間にそのまま使えます。

6か月〜1年の課程に通うために退職を考えていた人は、先に就業規則の「休暇」の章を開くのが先です。教育訓練休暇の制度があれば、辞めずに月18.9万円(月給30万円の場合)が最長150日分入り、在職のまま追加給付の20%も受けられます。制度がない職場なら、作ってもらう交渉の材料に、この給付金の存在を使えます。
手続きの順番と期限
| いつ | すること |
|---|---|
| 受講開始日の2週間前まで | ハローワークで受給資格の確認。専門実践・特定一般は、その前に訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作る(在職者は事業主の証明で代えられる) |
| 受講中 | 6か月ごとの期間の末日の翌日から1か月以内に支給申請(受講証明書・領収書) |
| 修了後 | 資格取得・就職のどちらか遅い日から1か月以内に追加給付(70%)の申請。80%の分は1年以内 |
| 教育訓練休暇 | 休暇開始後に事業主が賃金月額証明書を提出し、支給申請書は事業主経由で受け取る |
学校によっては受講開始日の1か月前までの手続きを求めています(大阪医療センター附属看護学校は4月1日の1か月前)。支給額が4,000円以下のときは支給されません(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」)。
よくある質問
働きながら看護学校や認定看護師の課程に通っても、給付金は出ますか?
出ます。専門実践教育訓練給付金は在職中の雇用保険の被保険者も対象で、受講中の50%は同じです。追加の20%も、修了日の翌日から1年以内に資格を取り、そのとき雇用保険に入って働いていれば受けられます。離職者向けの教育訓練支援給付金だけは出ません。
准看護師から看護師になる2年課程(通信制)は対象ですか?
看護師・准看護師の養成施設の課程は専門実践教育訓練の類型①に入っているので、その学校の課程が厚生労働大臣の指定を受けていれば対象です。指定は講座ごとなので、学校に指定講座番号を確かめます。通信制・夜間制の課程は、離職者の教育訓練支援給付金の対象外です。
前に一般教育訓練給付金を使いました。看護学校でも使えますか?
前回の支給を受けた日から受講開始日までに、新たに3年以上の雇用保険の被保険者期間があれば使えます。受講開始日の前日から3年以内に給付金を受けていると、その受講は対象外です。
出典
2026年10月23日に確認。
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」(講座の種類と検索システム)
- 厚生労働省「専門実践教育訓練給付金のご案内」(LL070401。追加給付の年間上限16万円・8万円、対象講座の類型)
- 厚生労働省・都道府県労働局「雇用保険の基本手当日額が変更になります(令和8年8月1日から)」(LL080731)
- 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」
- 厚生労働省「教育訓練休暇給付金のご案内」(PL080801。加入期間と給付日数・支給額のイメージ)
- 大阪医療センター附属看護学校「社会人学生のための専門実践教育訓練給付金制度」(学費と試算)
- 北海道看護専門学校「専門実践教育訓練給付制度」(最大192万円の内訳)
- 日本看護協会 看護研修学校「特定行為研修」(基本コースは特定一般教育訓練の指定講座)
- 愛知医科大学大学院「専門実践教育訓練明示書」(診療看護師コース・24か月)
- 放送大学「教育訓練給付制度の利用について」(一般教育訓練・20%)
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