認定看護師の手当は、月いくら?
受けている人の平均は月8,530円、でも手当が出るのは4割ほど

- 資格手当の平均(受けている人)8,530円/月年に直すと約10.2万円。毎月の給与に加わる形が92.2%です(2022年度の個人調査)。
- 手当を受けている人41.2%認定看護師3,805人のうち1,567人。残りの58.8%は、資格手当が「なし」でした。
- 資格で処遇が変わらなかった人82.7%基本給が上がった人は10.0%、昇進した人は5.1%。資格だけで給料が動く人は少数です。
くわしく
認定看護師の資格手当は、月いくら?
結論から言うと、認定看護師の資格手当の平均は、手当を受けている人で月8,530円です。日本看護協会が認定看護師・専門看護師に尋ねた「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」の数字で、2022年5月に支給された額の平均です。
同じ日本看護協会は、病院の看護部長にも尋ねています。「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」(病院調査、2025年1〜2月)では、手当がある病院の平均は月11,228円でした。
| 調査 | 誰に聞いたか | 手当が「ある」 | 手当の平均(月) | 年額(月×12) |
|---|---|---|---|---|
| 2022年度の個人調査 | 認定看護師3,805人 | 41.2% | 8,530円 | 約10.2万円 |
| 2024年度の病院調査 | 認定看護師のいる1,745病院 | 49.5% | 11,228円 | 約13.5万円 |
2つの数字は、調べた相手も年も違うので、同じ物差しではありません。個人調査は「手当を受け取っている本人」、病院調査は「手当の制度がある病院」を数えています。病院側の数字のほうが高く出ているのは、制度があっても全員が対象とは限らないためかもしれませんが、調査の資料からは確認できません。
手当の額は、月8,500円から1万1千円台が目安の幅です。ご自身の手取りでいくらになるかは、手取り計算で、手当を足した月給を入れると出せます。

調べる前は「資格を取れば手当が付くのが普通」だと思っていました。実際は、手当を受けている人が4割。付かない人のほうが多いのが現実です。「いくらもらえるか」の前に「そもそも付くのか」を見るのが先です。
手当が出る人は、全体の何割?全員に直すと月いくら?
「平均8,530円」は、手当を受けている人だけの平均です。認定看護師全体で見ると、手当がない人も多いので、1人あたりの額はもっと小さくなります。
個人調査で、手当を受けている人の割合(41.2%)に月8,530円をかけると、約3,500円です。これは当サイトの概算で、調査が公表した数字ではありません。受けている人の平均を、全員に当てはめただけの計算です。
| 見方 | 月の額 | 年額 |
|---|---|---|
| 手当を受けている人の平均 | 8,530円 | 約10.2万円 |
| 認定看護師全体に直した概算(8,530円×41.2%) | 約3,500円 | 約4.2万円 |
支払い方は、受けている人の92.2%が「毎月支払われる」、1.0%が「賞与時」、0.3%が「資格取得時の一時金」でした。賞与や一時金のかたちで出る人は、ごく少数です。
手当が給与に占める大きさも見ておきます。同じ調査で、認定看護師の給与総月額(税金や保険料を引く前の総支給額)の平均は429,170円でした。8,530円は、その約2%にあたります。
資格を取ると、給料や役職は上がる?
手当のほかに、資格を取ったことで基本給や役職が変わる場合もあります。同じ個人調査で、認定看護師に「資格による評価・処遇の変化」を複数回答で聞いた結果が次のとおりです。
| 資格による変化(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 基本給が上がる・昇給する | 10.0% |
| 昇格する(等級が上がる) | 4.7% |
| 昇進する(職位が上がる) | 5.1% |
| 特にない | 82.7% |
基本給が上がった人は、上がった額の平均が月11,191円でした。割合は1割にとどまり、約8割の人は、資格を取っても処遇は変わっていません。
勤務先の種類で差があるかも見ます。病院に勤める認定看護師3,417人の結果です。
| 勤務先の病院の設置主体 | 人数 | 基本給が上がる | 特にない |
|---|---|---|---|
| 国 | 518人 | 11.8% | 84.0% |
| 都道府県・市町村、地方独立行政法人 | 976人 | 5.6% | 85.6% |
| 公的機関 | 456人 | 5.5% | 86.8% |
| 公益法人 | 138人 | 15.2% | 73.2% |
| 医療法人 | 712人 | 16.3% | 75.3% |
| 私立学校法人 | 334人 | 7.5% | 85.3% |
| その他 | 206人 | 13.1% | 81.6% |
| 全体 | 3,417人 | 9.8% | 82.6% |
(社会保険関係団体は77人と少ないため省きました。)
医療法人で基本給が上がった人は16.3%と最も高く、都道府県・市町村などの公立病院と公的機関では5〜6%にとどまりました。公立側で上がりにくい理由は、調査の資料からは分かりません。給与表の決め方の違いかもしれない、というのは当サイトの推測にすぎません。

意外だったのは、民間の医療法人のほうが「基本給が上がる」人が多かったこと。手当は少なくても、評価の仕組みは法人ごとに自由に作れるからだと読みました。資格を活かして待遇を上げたいなら、公立より民間のほうが交渉の余地があるのかもしれません。
資格に対する評価・処遇への満足度も、同じ調査で聞いています。認定看護師では「不満」が51.4%、「やや不満」が26.5%で、合わせて77.9%でした。月額の総支給額への満足度でも、「不満」43.9%と「やや不満」26.9%を合わせると約7割が不満と答えています。回答の収集率は18.1%(25,056人に依頼して4,542人が回答)なので、不満のある人が答えやすかった可能性は残ります。
病院から見ると、認定看護師はどう評価されている?
2024年度の病院調査は、病院の側から見た結果です。認定看護師を雇っている1,745病院のうち、基本給与額の評価の仕方は次のとおりでした(複数回答)。
| 認定看護師の基本給の評価の仕方 | 病院の割合 |
|---|---|
| 賃金表では特別な評価をしていない | 59.9% |
| 非管理職のスタッフと同じ賃金表で、等級を上げる | 12.6% |
| 非管理職のスタッフと同じ賃金表で、号俸を上げる | 8.5% |
| スタッフより上位職(主任や看護師長など)の賃金表で評価 | 6.3% |
| 認定看護師の賃金表で評価 | 2.8% |
6割の病院では、認定看護師でも賃金表の評価は変わりません。専用の賃金表があるのは2.8%でした。個人調査の「特にない」82.7%と同じ向きの結果です。
手当は、病院調査では「ある」が49.5%、「ない」が46.9%でした。手当の平均は月11,228円で、2交代の夜勤手当1回分の平均(11,470円、日本看護協会「2025年病院看護実態調査」)とほぼ同じ大きさです。
つまり、認定看護師の資格手当は、夜勤を月に1回するくらいの額です。夜勤手当の相場は夜勤手当の相場にまとめています。

手当は夜勤1回分くらい、というのが当サイトの読みです。ここで気づくのは、資格手当だけを目当てに取る資格ではない、ということ。認定看護師は、専門分野の役割や、職場での裁量のために取るものだと思います。
取る前に、何を確かめておく?
資格手当や昇給は職場によってばらばらなので、取る前に勤務先に確かめておくと安心です。日本看護協会の個人調査では、資格取得にかかる費用の支援にも差がありました。認定看護師の資格を取るとき、勤務先から次の支援があったかという結果です(3,873人、4項目それぞれ「全額補助」「一部補助」「なし」で回答)。
| 項目 | 全額補助 | 一部補助 | なし |
|---|---|---|---|
| 入学検定料 | 17.7% | 3.8% | 75.8% |
| 入学金 | 37.4% | 9.9% | 50.9% |
| 授業料 | 40.7% | 15.7% | 42.3% |
| 引越費用・生活費・交通費など | 7.5% | 38.9% | 51.9% |
いずれかの項目で支援があった人は69.6%、支援がなかった人は28.1%でした。勤務先の病院の設置主体別では、都道府県・市町村・地方独立行政法人が83.2%、国が65.3%でした。
資格を取る前に、勤務先へ確かめる項目をまとめます。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 資格手当があるか、いくらか | 就業規則・賃金規程の「資格手当」。今の職場だけでなく、移る先でも |
| 取得費用の補助 | 入学金・授業料・生活費のどこまで出るか。書面で |
| 資格を取ったあとの評価 | 等級や号俸が上がるのか、賃金表は変わらないのか |
| 資格を活かす役割 | 認定看護師として働ける部署・勤務の形があるか |
手当がなく、評価も変わらない職場にいる場合は、資格を活かせて手当のある職場へ移る道もあります。ただ、個人調査では手当を受けている人が4割、病院調査でも手当のある病院が5割ほどなので、「資格手当あり」の求人は多数派ではありません。求人票の資格手当の欄と、基本給の欄を確かめることが大事です。
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サービスごとの違いは、看護師の転職サービスの比較で見られます。給料を上げる方法の全体は、看護師の給料アップの方法にまとめました。
まとめ
- 認定看護師の資格手当は、受けている人の平均が月8,530円(個人調査、2022年)、手当のある病院の平均が月11,228円(病院調査、2024年)
- 手当を受けている人は41.2%、手当のある病院は49.5%。受けている人の平均を認定看護師全体に直すと、月約3,500円(当サイトの概算)
- 資格を取って基本給が上がった人は10.0%、「特にない」が82.7%。病院側も60%近くが賃金表では特別な評価をしていない
- 資格手当は、2交代の夜勤手当1回分(11,470円)と同じ程度。取る前に、手当・取得費用の補助・資格取得後の評価を職場に確かめる

資格手当は、金額より「付くか付かないか」で差がつきます。取る前に就業規則を開いて、手当と費用の補助、取ったあとの評価の3つを確かめる。この3つを聞けば、損をしにくくなります。
よくある質問
Q. 専門看護師の資格手当は、認定看護師より高いですか? A. 同じ個人調査(2022年度)では、手当を受けている専門看護師は34.1%で、平均は月11,279円でした。認定看護師の41.2%・8,530円より、受けている人の割合は低く、額は高い結果です。
Q. 資格手当は、毎月もらえるのですか? A. 手当を受けている認定看護師のうち、92.2%が「毎月支払われる」と答えています。賞与時に支払われる人は1.0%、資格取得時の一時金は0.3%でした。賞与時の平均は54,059円、一時金は238,125円ですが、人数は16人と4人で、少数です。
Q. 8,530円と1万1千円台の数字は、どちらを見ればいいですか? A. 調べた相手が違います。8,530円は手当を受けている認定看護師の平均、11,228円は手当のある病院の平均です。転職先で提示された額を比べるなら、1万円前後を目安に、求人票や就業規則で確かめるのが確実です。
Q. 分野(がん性疼痛看護など)ごとに手当は違いますか? A. 今回確認した日本看護協会の調査報告では、手当額の分野別の数字は見つけられませんでした。分野ごとの差は、この記事では扱っていません。
出典(2026-10-28に確認):
- 日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書(調査期間2022年7月6日〜8月1日、有効回収数4,542・回収率18.1%。うち認定看護師3,805人。表32・35・36・34・9)
- 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書」(病院調査、調査期間2025年1月14日〜2月25日、回収3,471病院。認定看護師のいる1,745病院の結果、図表20・表78・79)
- 労働政策研究・研修機構「正規雇用看護職員の離職率は11.0%/日本看護協会調査」(日本看護協会「2025年病院看護実態調査」の夜勤手当の平均)
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