看護師の夜勤手当の相場は?2交代1回1万1,470円、手取りで残る額も計算
公開日: 更新日:
結論:夜勤手当の平均は、2交代の夜勤が1回11,470円、3交代は準夜勤4,300円・深夜勤5,211円です(日本看護協会「2025年病院看護実態調査」)。2交代で月4回なら年55万円ほどになりますが、税金と社会保険料を引くと、手取りに残るのはそのうち8割弱です。
自分の病院の手当が高いのか低いのか、平均の数字と比べてみましょう。1回あたりの額がわかれば、夜勤手当の比較計算で平均との差を年額で出せます。
夜勤手当の平均額(1回あたり)
日本看護協会の「2025年病院看護実態調査」によると、夜勤手当の平均額は次のとおりです。
| 勤務の種類 | 1回あたりの平均 |
|---|---|
| 2交代制の夜勤 | 11,470円 |
| 3交代制の準夜勤 | 4,300円 |
| 3交代制の深夜勤 | 5,211円 |
| 3交代制(準夜+深夜の1組) | 9,511円 |
2交代の夜勤は1回の勤務時間が長いぶん、1回あたりの手当も高くなっています。3交代は準夜勤と深夜勤を1回ずつ足しても9,511円で、2交代の1回分には届きません。ただし勤務時間が違うので、回数だけで単純に比べないようにしましょう。
同じ調査では、夜勤手当の額は2010年ごろからほとんど変わっていないことも報告されています。基本給は少しずつ上がっていても、夜勤手当は据え置きの病院が多いということです。
回数で年間いくら変わるか
平均額に回数を掛けると、月・年の夜勤手当は次のようになります(税金・社会保険料を引く前の額)。
2交代の場合
| 2交代の夜勤回数 | 月あたり | 年間 |
|---|---|---|
| 月2回 | 22,940円 | 275,280円 |
| 月4回 | 45,880円 | 550,560円 |
| 月6回 | 68,820円 | 825,840円 |
| 月8回 | 91,760円 | 1,101,120円 |
| 月10回 | 114,700円 | 1,376,400円 |
3交代の場合(準夜勤と深夜勤を同じ回数ずつ)
| 3交代の回数 | 月あたり | 年間 |
|---|---|---|
| 準夜3回・深夜3回 | 28,533円 | 342,396円 |
| 準夜4回・深夜4回 | 38,044円 | 456,528円 |
| 準夜5回・深夜5回 | 47,555円 | 570,660円 |
2交代では、月の夜勤が1回増えるだけで年間約13万8,000円(11,470円×12か月)の差になります。
夜勤手当は手取りでいくら残る?
夜勤手当も給料の一部なので、健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料と、所得税・住民税がかかります。額面の全額が手元に残るわけではありません。
当サイトの看護師の手取り計算と同じ計算方法(令和8年度の協会けんぽ・厚生年金の料率、令和8年分の源泉徴収税額表)で、次の例を計算しました。
- 基本給25万円、東京都の協会けんぽ、30代(介護保険料なし)、扶養なし、賞与・通勤手当・残業代なし
- 2交代の夜勤手当は平均の1回11,470円
| 夜勤の回数 | 夜勤手当(額面・月) | 毎月の手取り | 夜勤なしより増える手取り | 残る割合 |
|---|---|---|---|---|
| 夜勤なし | 0円 | 197,454円 | ― | ― |
| 月2回 | 22,940円 | 215,413円 | 17,959円 | 78% |
| 月4回 | 45,880円 | 233,383円 | 35,929円 | 78% |
| 月6回 | 68,820円 | 251,150円 | 53,696円 | 78% |
| 月8回 | 91,760円 | 268,885円 | 71,431円 | 78% |
| 月10回 | 114,700円 | 286,461円 | 89,007円 | 78% |
この例では、夜勤手当の約78%が手取りに残り、約22%が保険料と税金になります。月4回の場合、額面45,880円のうち、保険料で5,905円、所得税で1,430円、住民税で2,616円が引かれる計算です。
「1回増やしたら、いくら増える?」は回数で変わる
社会保険料は、給料をいくつかの区切り(標準報酬月額の等級)に当てはめて決まります。そのため、夜勤を1回増やしたときの手取りの増え方は一定ではありません。
- 月4回→5回:手取りは10,127円増える(等級が変わらず、保険料がほとんど増えないため)
- 月5回→6回:手取りは7,640円増える(等級が1つ上がり、保険料が増えるため)
自分の基本給・地域・年齢で計算したいときは、看護師の手取り計算に夜勤の回数と1回あたりの手当を入れてください。夜勤を1回増やしたとき・夜勤をなくしたときの手取りの差も表示されます。
計算の注意:住民税は、その年の収入をもとにした目安です(実際の住民税は前の年の収入で決まり、翌年度にかかります)。社会保険料は、昇給や手当の変動で決め直されるまで変わらないこともあります。
夜勤手当が平均より低いときは
自分の病院の夜勤手当が平均より明らかに低い場合、次の点を確認してみましょう。
- 年収全体で比べる:夜勤手当は低くても、基本給や賞与が高い病院もあります。看護師の平均年収は524.7万円(平均42.1歳、令和7年賃金構造基本統計調査)です。くわしくは看護師の平均年収にまとめています
- 2026年度からの賃上げの動き:令和8年度・令和9年度の診療報酬改定では、医療従事者の+3.2%分のベースアップを支援することになっています(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」)。自分の病院の給与がどう変わるのか、確認してみる価値があります
- 夜勤の回数と体の負担のバランス:上の計算のとおり、回数を増やしても手取りに残るのは8割弱です。体調や生活とのバランスも考えて判断しましょう
それでも年収全体で相場より低いなら、職場を変えることも選択肢です。求人の条件といまの職場は、求人の年収比較で夜勤手当・賞与まで年額にそろえて比べられます。進め方は看護師が給料を上げる方法と看護師の転職サービスの比較を読んでみてください。
よくある質問
Q. 夜勤手当は1回いくらなら「高い」? A. 2交代なら平均の11,470円、3交代なら準夜4,300円・深夜5,211円が目安です。地域や病院の規模で差が大きいので、年収全体と合わせて判断しましょう。
Q. 夜勤手当は給与明細のどこを見ればいい? A. 手当の名前は病院によって違います。夜勤に関係する手当の金額を、同じ月の夜勤の回数で割ると1回あたりの額になります。手順は夜勤手当の比較計算のページで説明しています。
Q. 夜勤手当に税金はかかる? A. かかります。夜勤手当も給料として、社会保険料と所得税・住民税の計算に含まれます。上の例では、額面の約78%が手取りに残りました。
まとめ
- 夜勤手当の平均は、2交代1回11,470円、3交代は準夜4,300円・深夜5,211円(日本看護協会、2025年調査)
- 2交代で月1回の差は、額面で年間約13.8万円
- 手取りに残るのは約78%(基本給25万円・東京都・30代・扶養なしの例)。1回増やしたときの増え方は回数によって変わる
- 夜勤手当だけでなく、年収全体で比べることが大切
参考:
- 労働政策研究・研修機構「日本看護協会の2025年病院看護実態調査」紹介記事(夜勤手当の平均額)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「看護師」(令和7年賃金構造基本統計調査の平均年収・平均年齢)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(+3.2%のベースアップ支援)
- 協会けんぽ「令和8年度 都道府県単位保険料率」・日本年金機構「厚生年金保険料額表」・国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(手取りの計算)